2014年05月の記事 | ジオラマ模型 おもちゃ箱の日々 こんな物ありますか???

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あれは3か月前ほど前の事です。
北海道にお住いのA様より、「 どうしても波動砲を電飾したいのですが・・」と連絡を頂きました。
お話をうかがうと、「 地元の電子部品屋さんで回路がほしい旨を伝えたところ 販売もしていないし 製作依頼の受付もしていないとの事で諦めていました。」とのこと。

宇宙戦艦ヤマトは皆さんもご存じのとおり、大人気アニメに登場する戦艦大和をモチーフにした宇宙船です。
特徴は何と言っても波動砲、正式には「艦首波動砲」と言うのだそうですけれど、波動エンジンの力を全て利用し、目標物を破壊する最強の武器です。






艦長が「波動砲発射用意」と言うと、ヤマトの艦首の発射口から黄色の光が現れます。
その後エネルギーを充填してカウントダウンが始まるに従って、光は白色から青白さへ変わり、波動砲発射のタイミングでは、目が眩むような光が照射されます。
ネットでは何人かの方が、この波動砲の電飾にチャレンジされていますが、専門知識がないとなかなかうまく行かない電飾です。
またこれを模型に組み込めるように指先に乗るくらいの大きさにまとめようとすると至難の技となってしまいます。
A様はこれを「電飾知識のないモデラーでも使えるような超小型基板で・・・」とのご希望でした。
1,000分の1、500分の1サイズのヤマトに組み込むのですから、大きな基板では役に立ちません。
また、「黄→白→青→高光度白色点滅」が流れるように点灯・点滅するのですからLEDにも工夫が必要です。さらに電池も3V(乾電池2本)で動作するようにしなければなりません。

これは大変な事になったぞ〜。
さっそくウチのプログラミングアドバイザーのMさんと作戦会議。
ところがまず、つまずいたのがLED。
小さなチップLEDを使おうと言うことになったのですが、黄・白・青の3色を使うにはスペースがなく、段階の無い黄色から白色への点灯移行も大変なプログラムになります。
そこでMさんが提案したのが「シリアルLED」と言うチップLED。
普通チップLEDは、1個で発色できる色は1色ですが、シリアルLEDはフルカラーでおまけに光度も255段階に調整できると実に「模型向き」の便利なチップLEDです。

ただ、LED用にCPUを通常より高速で走らせなければいけないため、プログラミングが大変な上、LEDケーブルの長さで微妙にノイズを拾ったり、「予測不能」なトラブルが起きたりで、なかなか一筋縄には行きません。
もちろん波動砲の動きにできるだけリアルに見える電飾点灯・点滅を再現しなければならないため無段階の光り方も重要な要素です。
極めつけは、これらの機能を搭載して、1センチ角の基板に収める事。 そして電源は3Vで動作させる事。
結局このいくつもの難題をクリアして、製品化するのに3か月と言う時間を費やしてしまいました。

今回はシリアルLEDも装着済みで、電池をつなぐだけで動作するようにしてあります。
あと、動作スイッチ用に端子を設けましたので、プッシュスイッチをつけていただいたり、発展してリレー回路を接続して他の動作に連動することも可能としました。

基板もBlink-Miniシリーズと全く同じで10mm四方。1円玉より小さいです。



少々残念なのは音声。あの「エネルギー充填120%」「波動砲発射用意」「キュイーン」と言うような音声を搭載できなかった事です。
いろいろ問い合わせなどしたのですが、どうしても著作権の壁を越えられず、やむなく今回は電飾のみとしました。将来は音声を搭載したいです。

その代わり動画デモ用には音声を入れています。
ご覧ください。(音声が出ますので、音量にご注意ください)




みなさんからの「こんな電飾を作りたいです」は難題が多いのですが、これからもがんばって製品化します。ぜひお問い合わせください。

PLUSDIO Blink-Mini  ヤマト波動砲電飾キット

 
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